金沢大学中国語学中国文学専門分野
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金沢大学中国語学中国文学研究室 留学情報
 金沢大学は北京大学北京師範大学北京語言大学蘇州大学國立臺湾師範大學などとの間に大学間交流協定を結んでいるので、学内の選抜試験をパスすれば派遣留学生としてこれらの大学に留学できます。
        金沢大学の協定校一覧

 2005年度は、本研究室から4名(北京師範大学2、臺湾師範大学1、蘇州大学1)が派遣留学生として留学しています。
 2007年度は、1名(北京師範大学)、2008年度は0でしたが、2009年度は、4名(北京師範大学2名、臺湾師範大学1名、蘇州大学1名)、2011年度は2名(北京師範大学1名、大連大学1名)が派遣留学生として中国の地で勉強しています。
 このほかに中国政府奨学金留学制度、アジア諸国等派遣留学制度なども利用できます。


 また、毎年夏休みになると多くの学生が1ヶ月程の海外異文化体験実習(短期留学)に出掛けます(主に北京師範大学・北京語言大学)。

 

【北京師範大学のキャンパスにて】
 
 


中国留学報告
    
金沢大学大学院文学研究科 中国語学中国文学  田中 譜美

  私は大学入学以前より中国に興味をもっていました。そして,2年生の夏頃留学の意志を固め,金沢大学の交換留学制度を利用し,平成14年の9月から約1年間(3年生後期〜4年生前期)蘇州大学に留学しました。
  蘇州は上海から西へ電車で約1時間の距離にあります。2500年以上の歴史を有する文化都市であり,小河にかかる橋,白壁の民家といった古く,どこか懐かしさを感じさせる風景は蘇州大学の周辺でも見られます。また,近年郊外の開発など多くの外国企業が進出しており,中国でも有数の発展目覚ましい現代都市でもあります。方言についてですが,若者は普通標準語を用いており,日常生活で会話に支障はありません。外国人が普通留学するような都市は以前に比べて,生活水準はずっとあがっており,良くも悪くも住み心地がよくなっているといえるでしょう。
  私の在籍していた海外教育学院の授業は5日制で,ひとクラス10人前後です。午前は必修科目の文法,会話,聴き取り,作文の授業があり,午後は選択科目で,民俗,歴史,地理,翻訳,古代文学といった内容の授業が開講されます。HSK(中国の政府が認める外国人向けの語学資格試験)の対策授業を受けられる他,スピーチ,作文等のコンテストが各学期にあり,優秀な学生は蘇州のテレビに出演したり,作文が蘇州大学の新聞に載ったりします。
  寮は一人部屋が基本で,私は日本円にして月1万5千円程度の安めの部屋でしたが,電話,テレビ等が備わっていました。シャワー室,トイレ,洗面等の場所は共有で,留学生同士の交流はとても盛んです。留学生に韓国人が多いこともあり,彼らと交流することで,日本人,韓国人,中国人といった「同文異種」の認識を一層深めることもできました。食事は,外食がほとんどで,米主食で甘い蘇州の料理はとてもおいしかったです。
  旧正月に友人の中国人の家庭にあがり,先祖を祭る様子を見たり,正月ならではの料理をいただくなど中国の伝統に触れられたのも貴重な経験でした。学期休みに,西安,成都,南京,無錫,杭州,紹興などの都市を旅行し,文化の地域差を体験できたのもよい思い出です。また,蘇州は中国の語り物を代表する「評弾」,地方劇の「崑曲」が有名であり,舞台を観たり,二胡を習ったことなどが卒業論文のテーマ設定に大変役立ちました。現在本学文学研究科に入学し,再び江南地方に現地調査を兼ね留学したいと考えています。
(『金沢大学文学部2007』より転載)